Synology MailPlus ServerはIPv6を不完全に利用している

公式にはIPv6非対応

Synology MailPlus Serverは、Synology製のNASで利用できるアプリケーションであり、メールサーバー機能を提供します。このアプリケーションは公式には、IPv6非対応です1
しかし、NASでIPv6を利用できる場合、このアプリケーションはIPv6を部分的に利用しているように見えます。
具体的には、SMTP2ではIPv6を利用できるように見えますが、POP3/IMAP43では利用できないようです。こちらで指摘されているように、少なくともIMAP4の993ポートをリッスンしていません。これについては、IPv4にフォワードすることで回避しようとするツールがあるようです。

中途半端は混乱を招く

なぜ、私がこんなことを書いているかといえば、DNSにAAAAレコードを追加したとき、メールの送信はできるが受信できないという状態に陥ったからです。てっきりNAS(のOS)がIPv6対応なので、公式のアプリケーションもIPv6対応と思い込んでいたことと、MailPlusがIPv6に対して中途半端に対応していたで余計に混乱しました。非対応なら、ポートを閉じるなどしておいて欲しかった。

IPv6完全対応はいつ?

とはいえ、直近ではAWSのパブリックIPv4アドレスに課金が予告されるなど、いつまでもIPv4を使うのはつらい状況。早々に対応をお願いしたいところです。

  1. リンク先の、IPv6対応が謳われている「Synology Mail Server」は別のアプリケーション ↩︎
  2. おそらくPostfixを利用 ↩︎
  3. おそらくDovecotを利用 ↩︎